三重県紀伊長島沖の深海底引き網で採集されたツノモチダコの腎嚢(じんのう)の中から、タコの寄生虫であるニハイチュウの仲間が見つかり、少なくとも2種類の新種がいることが明らかになりました。
このニハイチュウは2013年3月16日に三重県紀伊長島沖、水深300mで採集された深海性のツノモチダコの腎嚢中で発見されたもので、大きさは1㎜~2.5㎜ほどです。当館の学芸員がこれまでに調べられていないツノモチダコの腎嚢を観察したところ、複数種類のニハイチュウがいることに気が付きました。これをニハイチュウの研究者に確認したところ、少なくとも2種類の新種がいることが明らかになり、それぞれ「トバニハイチュウ」 と 「ツノモチダコニハイチュウ」と名付けられました。
当館では今年2月から紀伊長島の深海トロール船に同乗をお願いし、定期的に深海生物の採集をおこない、それらの飼育・展示に挑戦しています。ツノモチダコ以外にも複数の深海性の頭足類が捕獲されているため、今後もこれまで知られていなかったニハイチュウが見つかる可能性があります。尚、7月13日オープン予定の新コーナー「へんな生きもの研究所」ではニハイチュウについても写真や映像などを使って紹介する予定です。
| ニハイチュウ (二胚動物門 二胚虫目 ニハイチュウ科) | |
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体長は1mm~10mmの蠕虫(ぜんちゅう)様の動物で、全ての種類が頭足類(タコやイカなど)の腎臓(腎嚢)中に生息します。寄生する相手の種類が決まっている宿主特異性があるため、異なるタコやイカにはそれぞれ別のニハイチュウが寄生します。全世界のニハイチュウ類は名前のついたもので117種、 日本産ニハイチュウ類の種数は名前のついた種は40種、未記載種は現在22種。ニハイチュウは通常、1個の軸細胞と20個程度の体皮細胞からなり、筋肉組織、消化器などは備えていません。からだの主要器官は生殖腺だけで、細胞数の最も少ない動物の部類に入ります。生殖形態に無性生殖と有性生殖があるため生活史は複雑です。 |