熊野灘で採集された新種のウロコムシの展示を開始!

2021年04月12日(月)



 このたび、熊野灘の深海から見つかり2021年1月に新種記載されたウロコムシ(和名イッスンボウシウロコムシ)の展示を本日4月12日より開始しました。


 ウロコムシはその名の通り背中にウロコを持つ多毛類という生きもので、大きくは釣り餌などで知られるゴカイの仲間であり、その多くの種がほかの生物と共生することが知られています。今回展示するイッスンボウシウロコムシは、鳥羽水族館が定期的に行っている熊野灘の生物調査で採集した新種のウロコムシです。
 2016年6月に採集したウロコムシを観察したところ、背面にもう1匹小型のウロコムシ(体長約5mm)がいることに当館の学芸員が気付き、知り合いの多毛類研究者である国立極地研究所の自見直人氏(じみ なおと)に標本を送り確認してもらったところ、この2匹は同一種であり、本種は常にメスの背面にオスが乗る習性をもつ未記載種であることが明らかになりました。これまでに知られているウロコムシは雌雄で体のサイズに大きな差は無く、本種がウロコムシで矮雄(わいゆう)の存在が確認された初めての例となります。※矮雄とはメスに比べて極端に小さい体の(メスのサイズの2分の1以下)のオスのこと。
 本種は、自見さんら研究者グループと鳥羽水族館の共同研究として論文に新種記載され、3月29日に学術誌:Journal of Zoological Systematics and Evolutionary Researchのweb 版に公開されました。
 ウロコムシは本日より一般公開しており、Kコーナー「へんな生きもの研究所」でご覧頂くことができますが、展示水槽ではヤドカリに共生しており、体も小さい為じっくりと探してみて下さい。



【今回展示する新種のウロコムシ】
イッスンボウシウロコムシ 学名:Eunoe issunboushi (エウノエ イッスンボウシ)
体長: 約2.5㎝ メス3個体(オスは普段メスのうろこの下に隠れている為、肉眼ではオスを確認できません。そのため現在展示個体にオスがいるかは不明です。)
※和名は小さなオスがメスの背中に乗っている姿から、昔話の「一寸法師」に因んで名付けられました。


ウロコムシとは

ウロコムシはゴカイと同じ環形動物門多毛類の仲間で、ウロコムシ科に属する種類の総称です。背面に対をなして並ぶウロコを持つことが特徴です。潮間帯から深海まで様々な環境に生息します。イッスンボウシウロコムシは深海の巻き貝(生きた巻き貝とヤドカリが背負った巻き貝)から見つかります。



ヤドカリの殻の中に共生する様子


メスの背の中央部にオスが乗る



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